高齢化の現状
28.4%。
これ、なんの数字がわかりますか?
日本の総人口に占める65歳以上の人口です。
この数字は2019年の内閣府が発表したデータですので、現在は30%により近づいていることでしょう。
そして同じく内閣府の資料では、2065年には約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上とされています。
この記事を読んでいるほとんどの人が、2065年(約40年後)には65歳以上なのではないでしょうか。
他人事ではありません。
人生100年時代と言いますが、やはり高齢になるにしたがって、体力や気力は衰え、死に向かっていることを感じざるを得ません。
それはしかたのないことです。
そのため、高齢化の一つの側面として「自分の死と長い時間向き合う」ということは避けられないのです。
そんな時代の変化を「終活」というキーワードで、整理してみました。
終活って?
終活とは、人生の晩年に向けておこなう活動のことです。
2012年の流行語大賞で、この言葉がトップテンに選出されて以来、一般的に使われるようになりました。
平均寿命が伸び続けています
2021年の日本人の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳でした。
100歳以上の人口も86,000人以上もいらっしゃいます。
最近では、健康な高齢者も増えています。
高齢者となってからも自分の人生を謳歌する人が増えていますよね。
その一方で、終活を通して自分の晩年について考える人も増えています。
高齢者のいる家族にとっては、親の介護など面倒を見ていくことが、自分自身の晩年のあり方について考えるきっかけとなる方も少なくないようです。
個人の意志が大切
少し前までの日本では、人生の最後は残された家族の考えるスタイルで亡くなった方の葬儀が行われてきました。
また、何代もの家族が同居し子供も多かった大家族時代には、高齢者に必要な介護や身の回りの世話は家族みんなで分担してきました。
しかし、日本の経済力があがり社会が変化していく中で、核家族が一般的となりました。
親の世代とは異なる価値観を持つだけでなく、家族一人一人の意志が尊重される時代となっています。
では終活はだれのためにするのでしょう
年々話題になることが増えている「終活」。
始める人も増えていますが、終活はだれのためにやるのでしょうか?
それは、自分のためでもあり家族のためでもあるのです。
これからの豊かな人生のため
終活という言葉が広まる前には、人生の最晩年や死について話題にすることは「縁起でもない」と敬遠されてきたものです。
もちろん晩年という言葉は、「死に近づく」というイメージがあります。
しかし、定年後健康な時間が伸びたこともあり、「これからどうする?」という話題は、高齢者の豊かな晩年のために避けて通れない話題となっています。
終活の中で、自分の理想とする葬儀の形やお墓のあり方について考えることも大切なのですが、死の準備をおこなうだけが終活ではありません。
終活とは、人生の晩年をどのように生きるかをポジティブに考え、豊かな老後を実現するための取り組みなのです。
人生を振り返ってみると、働き詰めでできなかったことに挑戦してみたり、気になっていた趣味に没頭したり、気になることがあれこれありませんか?
また、健康で楽しい毎日を過ごすために必要な資金について考えることも、終活の目的と言えるでしょう。
もちろん晩年が、いつまでも健康とは限りません。
あなたが晩年についてどう考えているのか、家族や大切な友人に伝えておくことで、介護や延命治療、葬儀など、あなたが希望する形で実現することにもつながるのです。
このように、ご自身の最期について自分で決められることで、豊かな老後を送ることにつながるのです。
また、多くの高齢者は、終活をしたら死への不安不安がなくなったとおっしゃいます。終活によって自分自身の人生を振り返ることで、気持ちが整理され、不安が解消されていくのですね。
残された家族や大切な人のためになります
終活は、あなたのためであるだけでなく、残された家族のためにもなります。
人が亡くなると。葬儀や墓の手配だけでなく、遺産相続や遺品整理などさまざまな作業が必要となります。
家族であっても、銀行口座情報や保険、財産一覧、それにパスワードなどは、知らないことが多いものです。
終活の中で、自分についての情報をまとめておくエンディングノートを活用すれば、万一の時にもご家族への負担を減らせるのです。
家族間のトラブルを防ぐことができます
遺産の話題になると「うちは揉めるほど財産はないよ」とおっしゃる人がいます。
しかし、じつは遺産の少ない方のほうが、家族間でトラブルになっているのです。
多くの遺産がある方は、毎年の税務処理などで税理士さんなどのプロフェッショナルが遺産配分まで考えてくれていることが多いのです。
「うちは揉めないよ」と考えずに、終活を通じて財産の相続や分配の方法を決めておけば、いざというときに揉め事を減らせるのです。
終活のメリットって
終活を始められたほとんどの方が、「終活をはじめて良かった」とおっしゃいます。
その理由は、とっても前向きなものです。
気持ちの整理ができた!
毎日を忙しく過ごしていた現役時代には、今までの人生について振り返る機会はなかなかなかったのではないでしょうか。
終活を始めることで、今までの人生を振り返るきっかけができます。
幼い頃からの自分の人生を思い返して書き出してみると、友人や恩師などへの感謝の気持が湧いてきます。
長い人生ですから、節目になった出来事なども思い出すことでしょう。
会いたい人ややっておきたいことなども、整理されてくるのです。
老後を前向きに生きることができる!
高齢になればなるほど、自分の健康について心配事も増え、明日何があるかわからないという気持ちが強くなります。
だからこそ、体力や気力のあるうちに、「介護についてしてほしいこと」「葬儀のスタイル」など、気になる自分の最晩年について、あなたの気持ちを家族に伝えておくことが大切です。伝えておけば、あなたの気持ちも楽になります。
また、ご家族も、万が一になってからでは聞けない情報を、あなたから直接聞くことで、迷うこと無く準備を進められるのです。
ご自身の老後の不安が解消されれば、あとは「今という時間を大切にしながら、精一杯生きる」ことができます。
老後を前向きに生きるという理想的な生活ができるのです。
まとめ
ますます高齢化が進む日本社会。
あなたの晩年が豊かになるかどうか、それは終活との関わり方次第かもしれません。
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